「川口の麦味噌への想い」
嘗て、川口市は古く大麦の産地であり江戸後期より豊富な原料や水を活かし、
何より消費地である江戸や東京に近く物流面でも荒川や芝川など水運が発達していて、
川口市内でもとりわけ元郷・十二月田(現在、末広)周辺の南平地区にはピークには
味噌蔵が10場あったと記録されています。その麦味噌を現代に蘇らそうと数年前より
思考錯誤の結果、昨年には市内の農産物加工業者さんにお願いをし、
試験的に春3月に大麦・大豆・塩を原料として仕込み、
夏の発酵を終え秋には川口で麦味噌を完成する事が出来ました。
また市内の地元経営者や団体や個人の有志の方が集まり「かわぐち麦MISO倶楽部」を設立し、
川口B級グルメ大会やキュポラ市場などのイベントに参加し埼玉の麦味噌を使った商品のPRも開始しました。
また原料である大麦や大豆を市内で作ろうという機運もあり、1昨年市内の植木屋さんの協力で原料である麦を植える試みや
昨年は料理教室や川口市南平地区の味噌(歴史)を学ぶ会など。こんな流れをひろめ地産地消やフードマイレージ(食品原料の調達距離や時間)にも
将来貢献出来るようにしたいという想いでこの運動を進めています。
(新井 俊雄)
*「かわぐちエコ散歩」2013年1月号より(2014年3月改)